INTERVIEW

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山本ゆきの
秘密

静止の美をどう魅せるか、を考えたい

自己紹介をお願いします
東京生まれで、三味線演奏家をしております。
普段はどんなところで活動されてますか?
ほとんどが東京近郊中心でして、ホールやライブハウス、ホテルなどイベントで演奏させていただいています。
おかげさまで地方公演などもコロナ以前はさまざまな地域にお邪魔させていただいておりました。
コロナの影響は?
本当にイベントというイベントが全て無くなりまして、それ以上に人の出がなくなってしまったことでお稽古もできなくなって、生徒さんも長期にお休みになられたりとか私たちの活動に大きな問題を残しましたね。
ココロの栄養の必要性は感じますか?
やはりたくさんのイベントが無くなりまして、自主公演に関しては私たちは大袈裟ではなく命懸けで取り組んでおりますので、それが中止になったときに心に大きな痛手を受けることがございました。
先日ようやく公演をすることができましたが、やはり生きているという実感を身体で感じました。生の音楽や舞台から発せられる「動」のエネルギーのパワーを体感することができました。生のものに触れるということがココロの栄養なんだろうなと実感しております。
VRの映像を見てどう思いましたか?
いくつかのVR映像を見せていただいたのですが、日本の芸能の中では殺陣や日本舞踊などは立体的で、自分が中にいるような感じがしてとても面白かったです。
ですが私たちのような、固定の「静止の美」という言い方もされますけども、動きのないものをどう撮っていただくのがいいのかがまだ実感としては湧いていない気がします。
配信で特に気をつけていること
やはり配信が増えた時期でした。これまではYouTubeなど無料の動画配信をやってきましたが、徐々に有料コンテンツに切り替えていくことで、音や映像をできるだけクオリティの高いものを提供したいという思いでいます。
そうすると音響などの経費がこれまでと同じやり方では収支が見合わない問題が出てきました。
著作権に関しては、普段は古典やオリジナル曲が多いのでそれほど気にしていなかったのですが、最近カバー曲集を出した際にはかなり気をつけましたね。
舞台deVRに期待することはありますか?
配信が増えてくる中で、VRであるということが非常に斬新だなと感じました。特に日本の公演の中でここまで斬新なものはあまり見かけないですし、そこに関しては高く興味を持っております。
ただ先ほど申し上げましたように、私たちのような平面的なものをどう表現するのか、例えば複数台のカメラを置くとかは可能なんでしょうか。演者のそばに近づけるような映像であるとか編集の効いたVR動画があっても面白いかもしれませんね。
これから力を入れていきたいこと
この間はまだ公演などがままならないところもございます。その中で生の音楽を届けることで、お客さんの生の笑顔だったり生のお声を聞かせていただくことが私たちの最大のモチベーションになります。
しかしなかなか公演が開催できない、一言で中止になってしまうという状況で次世代の演奏家たちが明るい邦楽家人生を歩んでいくのかという心配があります。日本の芸能がもっともっと元気であらねばならないという想いが強くあります。少しずつではありますが動画配信などを通してたくさんのお客さんにご覧いただくことが重要ですし、公演が再開した折には会場に足を運んでいただくことで、日本全体が少しずつ良くなっていければいいなと思います。
お客様に一言
コロナが明けるまでは動画の配信などで頑張ってまいりますが、やはり生の舞台、音楽に勝るものがないと思っております。動画を楽しんでいただいた上で、また生の公演が再開されました折には会場へ足を運んでいただければ嬉しく思います。